日本山岳遺産認定地の五家荘には、平成20年7月に発足された「泉・五家荘登山道整備プロジェクト」(以下、同プロジェクトと記載)と言う団体がある。この団体の目的は、希少植物の保護活動や五家荘山域の登山道を整備することにより、登山者の遭難回避と遭難時の迅速な対応に寄与し、日本山岳遺産に相応しい、安心で安全登山の環境作りに邁進されている。 その事業や活動については、八代市をはじめ五家荘地域振興会・泉町観光協会などが協力・支援している。 発足から現在まで主な活動は、次のとおりである。 (1)五家荘の山々へ統一した山頂標識の設置。 (2)約100qにおよぶ登山ルートの開拓や整備又は道迷いを防止する道標の設置。 (3)登山ルート上の危険箇所の排除と整備。 この数年間、当該山域で登山者の事故が無いことは、こうした「同プロジェクト」の真摯な取り組みの成果であると言っても過言ではない。 これらの安全対策と危険回避に主眼を置いた、「同プロジェクト」の真摯かつ建設的な活動は、登山者にとっても我々消防の立場から見ても非常に心強い、有意義な取り組みであると高く評価できる。 そして、昨年12月、安全登山を推進する「同プロジェクト」の喫緊の課題であった、登山者の緊急時の対応と手段に係る会議が開かれた。 その会議に、登山を趣味とし、五家荘の山に精通する当消防本部署員の一人が招かれたことを契機に、当該山域へのRP標識の設置が具体化し、「同プロジェクト」と、消防署員が連携を密にした動きが急に加速した。
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