【命を守るプロジェクト】
(山岳救助事故に対応する取り組みについて)
     
           八代広域行政事務組合消防本部(熊本県)
          鏡消防署泉分署消防1係長 小 野 康 成
 7 レスキューポイント標識の仕様
 平成25年9月現在、仮設置した185箇所のRP標識(B5版)は、当消防本部署員の手作りで、山中の自然界に極めて少ない目立つ色の黄色又は水色にしている。
この手作りのRP標識には、標識bフ表示と高性能なGPSで取得した座標(緯度・経度)を明記し、標識bニ取得した座標一覧を「同プロジェクト」及び熊本県防災消防航空隊並びに当消防本部が情報を共有し、事故発生時には、登山者がその標識b通報するだけで、すぐに事故現場を把握し特定できるようにしている。また、この調査で得た携帯電話の通話可能な場所のRP標識には、通話可能の表示をしている。
そして、「同プロジェクト」が製作し本設置となるRP標識は、A4版のポリセームという素材で、約10年間は退色や腐食しない恒久的なRP標識である。このRP標識は、大津市消防局(滋賀県)が管轄する比良山系に設置しているRP標識を模し、表示内容は外国人登山者にも対応できるようにローマ字を併用し、仮設置のRP標識に明記した座標表示を採用している。
それから特筆すべきは、登山者各位に危険回避や安全対策の自己啓発を促す目的で、警察からの要請で携帯電話から自動的に登山届が登録可能な、「QRコード」を施す予定で先進の試みである。
それに、当該山域を管轄する消防本部・消防団・警察署・森林管理署の4機関名を表示される予定であり、本設置と並行して「同プロジェクト」がRP標識マップを作成し、4機関と山岳愛好会に配布される考えである。
さらに、RP標識マップは、五家荘地域振興会のホームページ「五家荘ねっと」に掲載し、登山者各位が必要に応じ印刷できるように対応する考えであり、「同プロジェクト」の安全対策に向けての並々ならぬ姿勢が伺い知れる。
RP標識の本設置は、当消防本部署員と「同プロジェクト」が連携して、平成25年12月8日から開始され、平成26年3月をもって五家荘の登山対象となる山域に157箇所の設置を完了した。
本設置した157箇所と仮設置の185箇所との相違は、プロジェクトの会議で見直しを行い、その結果、157箇所に決定したものである。

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